消え行くもの
久々のスイミングを終えてケータイをチェックしたら、
ケーさんからメールが入っていた。
「今から出てこられる?」
オッチャンの夕食が気にはなったけど、ケーさんとはしばらく会ってなかったから、
「すぐ行くよ」って返事して、一度帰宅。
オッチャンに事情を説明して、濡れた水着をほうりなげて、自転車で急行。
ケーさんの話によると、地元の古い食堂が年内に閉店するっていう記事が
新聞に載ってたので、ケーちゃんを誘って食べに行ってきたってことらしい。
その店は、もと納涼台で最後の一軒なのだ。
うちのオッチャンもひいきにしてる。
一番のお気に入りは、どんぶりいっぱいのアサリの味噌汁。
ケーさんも「アサリは今が旬だから、今のうち」って思ったんだって。
「実がプリップリで、おいしかったよ、それとアサリのフライ」
あ~、思い出すなあ、あの味・・・わたしも食べに行こう。
この店が無くなれば、ずっと前ここが海だったって事、だれも知らなくなるだろうな。
そして跡にはお決まりのように、マンションが建つんだろうか。
しめっぽい気分を振り払うため、カラオケにくり出した。
わたしたち熟女だから、歌えるのは「あの頃のうた」ばっかり。
楽しい気分になって、今日もまたほろ酔いで帰宅。
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